2021.9.27 Mon
遺言 vs 法定相続人 ~愛人の遺産相続は許される?~
不動産相続アドバイザーの尾嵜豪です。
相続時にトラブルになりやすいのが「遺言書」の存在です。
遺言があると遺産分割しやすいかと思いきや、内容によっては相続争いを加速させてしまう原因にもなります。
今回は「遺言」のもつ効力と、法定相続人との関係性をご紹介します。
「遺言」は法定相続人に勝つ!
遺言書があった場合法定相続分とどちらが優先するのでしょうか。
結論からお伝えすると、基本的には遺言が優先されます。
被相続人が遺言書をのこしていた場合、法定相続分よりも遺言書の内容が優先されます。
被相続人となる人は法定相続人にとらわれず遺産の分配割合を考えられます。
そのため、法定相続人以外への遺言が有効にのこされていた場合、基本的には遺言に従って遺産を分ける必要があります。
法定相続人の権利「遺留分」
しかし、すべての遺産を自由に相続できるというわけではありません。
遺言書の指定相続によって特定の人に100%相続させたいとした場合、残りの法定相続人は遺留分侵害額請求をして、最低限の取り分を取れます。割合については下記の図をご参照ください。
基本的に、法定相続人の遺留分は法定相続分の半分ということになります。
亡くなった父親に愛人がいて、愛人に100%遺産を相続させる旨の遺言書をのこしたとしても、妻や子どもは遺留分が保証されており、最低限の遺産を受け取る権利はあるということです。
被相続人の兄弟姉妹は法定相続人になり得ますが、遺留分はないことは注意しましょう。
まとめ
今回は遺言の効力と法定相続人との関係についてまとめました。
遺言は遺産分割において拘束力を持ちますが、遺された方への権利も存在することを知っておくと、いざという時に役立つかもしれません。
また、遺言をのこす場合には、法定相続人が誰なのか、遺留分は発生しないかを考えたうえで作成したほうがトラブルになりづらいと言えます。