2021.9.3 Fri
代償分割とは?賃貸アパートを代償分割で相続するメリット・デメリット
被相続人(=亡くなった方)がアパート経営をしていた場合、その権利はどう相続されるのでしょうか。
現金のみの相続と違って、賃貸アパートの相続を複数人で分けるのは複雑になりがちです。
今回は遺産分割方法の一つである「代償分割」とは何か、そのメリットとデメリットについて紹介します。
1. 代償分割とは?
代償分割とは、相続の分け方に不平等があった場合、現金などのやり取りで調節する方法です。
たとえば、こんな例で考えてみましょう。
被相続人の遺産が「5,000万円の価値を持つ不動産と現金1,000万円」で、相続人がその実子3人だった場合、長子に不動産を分けてあとの二人で現金を分けると誰が見ても不平等です。
この場合遺産総額は6,000万円のため、不動産を受け取った長子が兄弟二人に1,500万円ずつ渡すと、全員が平等に2,000万円受け取れます。
相続人の公平さを保てるため、トラブルが起きにくい方法と言えるでしょう。
2. 代償分割のメリット
代償分割のメリットは、相続人同士の公平性が保たれる点です。
遺産の資産価値が分かって現金が用意できれば、兄弟全員平等に資産を分けられます。
また、権利が一人に集約するため、その後の相続の管理も比較的楽ちんです。
遺産が家系の中で価値を持つもので、売却せずに手元に置いておきたい場合にも有効と言えるでしょう。
・代償金を用意する資金力がある
・兄弟全員で平等に分けたい
・不動産を売らずに手元に置いておきたい
賃貸アパートを兄弟で代償分割するメリットは、全員公平に分けられる点です。
遺産価値をはっきりさせるため金額による不公平感がなくなり、兄弟間のトラブルを避けられます。
また、代々管理してきた賃貸アパートであるなど思い出深い財産を、売却せずに手元に残しておくことができます。
3. 代償分割のデメリット
代償分割で最も起こりやすいトラブルは、代償金を用意できないことです。
特に収益の発生する不動産の場合、立地や利回りによっては非常に高い価値がつくこともあります。
遺産が賃貸アパートのみだった場合、相続する側は身銭を切って兄弟に代償金を支払う必要があります。
アパートの規模によっては相当の資金力がなければ、代償相続は難しいと言えるでしょう。
また、賃貸アパートの資産価値を計算してそれぞれの取り分を決めるには、不動産や収益に関しての専門知識が必要です。
公平性を保つためにもプロの査定を挟む必要があります。
・相続人に代償金を支払う資金力がない
・遺産の査定額が分からない
まとめ
代償分割は公平かつ分かりやすい相続方法ですが、相続人に資金力がないと不可能なため、賃貸アパートの相続で用いるには難しいかもしれません。
ただ、賃貸アパート以外に現金などの遺産がある場合、代償金が低くなるためハードルがぐっと下がります。
兄弟全員平等に相続したい場合、代償分割も視野に入れて検討してみてください。
不動産の相続はケースによって対処法が全く異なります。
不安な方は、初回無料で相談を承っておりますので、ぜひお気軽にご連絡ください。